稲妻と水の柱
悔しがりんぼのうさぎ
雨の日稲妻の中に
飛び出して行った
走り回って原っぱで
迷子になった
雷が落ちる音
雨水に覆われた原っぱから
水の柱が立ち昇った
水の柱は水の鏡
うさぎの目を映した
自分の心を映さない
誰の心も映さない
うさぎの目を映した
うさぎは雨宿りが苦手
其処から動かず
水の鏡を見て考える
いつまでも
水の柱はまっすぐ
余所見を知らない
うさぎの目はまっすぐ
水の柱が留まる
雨水を溜め込んだ原っぱ
稲妻が走る
水の柱が留まる
雷鳴が
低く響く
2014年7月11日記