Closed
ギターは弾かない
歌は唄わない
言葉はあげない
目覚めると息をしている
風の荒々しさで
優しいそよ風を思い出す
灼熱を憂い
洪水を嘆き
太陽が昇る不思議に涙する
実りを呼ぶ雨を抱きしめる
重そうだけれど平たい言葉
平たそうで愛される言葉
口にしたら
傷つけることを知らない
心地よさに身を委ねたら
傷つくことを知らない
耳を塞いで意識を失い
初めて
遠い優しさを思い出す
烏が歩く姿
嵐の直前
増水に曝されてゆく川辺を
真っ直ぐに
ただ真っ直ぐに歩いている
心を動かしたら
初めは
口に出せるものを知らない
閉ざして初めて
開かれる世界がある
ギターは弾けない
歌は唄えない
言葉が出て来ない
気付いてから
2014年8月13日記