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聖書からの黙想などを書いていきたいと思います。

山崎ハコさんの「呪い」とキリスト からの考察「雨垂れ」

(ハコさんの「呪い」とキリストから考察、作成した詩)




「雨垂れ」




誰かを憎む真っ直ぐ釘をさす
直ぐ様気が付く
打ち付けた釘が自分をさす

奔りだす思いの先
自分と相手を天秤で量る
罪悪だと堰き止める
理由が褪せて行く
釘をさす

引き裂かれた身を
この世に繋ぎ止める釘
この釘に真っ直ぐ縋る
釘をさす

我が身が釘に痛むだけ
自分の血が流れるだけ
愛した相手の
身体の痛みすら見つからない
知っていながら釘をさす

相手の居ない場所
相手を憎む時間
行方不明の痛みを
探さずにいられる
氷のような自由
届けられない思いも
滲ませ揺るがせ
釘をさす

初めからどちらも
痛みを共有できない
愛した深さは身体の執着だと
夜明けの風が冷たく告げる

憎い痛い血を流させる
いつまで
釘をさせば我が身が痛い
雨垂れの止まない夜
一滴ごとに釘が打ち込まれる
終われない身体が
釘をさす

堪えられなくなった雨垂れの夜に
差し出されたキリストの手足の釘
向かい合い
キリストの手と足に釘をさす
キリストが差し出した手足に釘をさす

コンコンコンコン
差し出された手足に釘をさす
涙のぬくみが帯をつくる
コンコンコンコン
涙のぬくみでリズムを刻む

コンコンコンコン
キリストは向こう側を見せない
コンコンコンコン
差し出した手足に全てを繋いで

コンコンコンコン
キリストの手足に釘をさす
コンコンコンコン
無能な秤が消える

コンコンコンコン
身体に一滴ずつ刻む
コンコンコンコン
確かに同化を覚えて行く時間
この唄は自分の身体

コンコンコンコン
水滴が窓に寄り集まって来る
透明な水滴
コンコンコンコン
身体が命を思い出して行く時間

コンコンコンコン コン
差し出された手と足に
永遠に釘をさす
コンコンコンコン コン
醒めてこの唄を歌う









呪い / 山崎ハコ