yupaloma03‐blog

聖書からの黙想などを書いていきたいと思います。

稲妻と水の柱

稲妻と水の柱




悔しがりんぼのうさぎ
雨の日稲妻の中に
飛び出して行った
走り回って原っぱで
迷子になった

雷が落ちる音
雨水に覆われた原っぱから
水の柱が立ち昇った

水の柱は水の鏡
うさぎの目を映した
自分の心を映さない
誰の心も映さない
うさぎの目を映した

うさぎは雨宿りが苦手
其処から動かず
水の鏡を見て考える
いつまでも

水の柱はまっすぐ
余所見を知らない
うさぎの目はまっすぐ

水の柱が留まる
雨水を溜め込んだ原っぱ
稲妻が走る
水の柱が留まる

雷鳴が
低く響く





2014年7月11日記

outside

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outside




産んでくれた
それだけで
それにすべてが
重ねられて
生きて歩いて
小さな思い出があればいつも
暴力中にも笑顔
恐怖に引きつりつつの笑顔
私の感情と感覚は元々
浮遊している
触ってくれるから暴発的笑顔
内に外に
存在場所を浮遊する
身体は限りを知るもの
弱い者に味方する力は自らの従順
不条理は拵えていることば
条理
従順
outside
笑顔
写真撮る度にありがとうの笑顔
泣きながらでも笑顔
あと何か要るか知らない
覚えられない
存在の垣根は高く
覚悟は地雷踏む程の高さ
垣根超えないのならば触れない
来ないのに触るのは幻









2014年7月4日記

アメリカブラジル台湾お友だちあああ?


おやすみなさい

哀しみのボカロイド

哀しみのボカロイド



世間の夜には
機械が優しく歌う
子守唄が漂っていた
ボカロイドの子守唄

彼は夜の淋しさに負けて
機械に恋い焦がれた

緻密に計算
緻密なコマンド
自分を満たしてくれる
機械
自分だけのボカロイド

もう決して
裏切られることがない
清らかで従順で
女に満たないボカロイド
コマンドに従うボカロイド

彼には或る日
欲望が生まれた
彼はプログラムを組んだ
緻密に徐々に
女へと成長させる
プログラムを組んだ
次々と
複雑な感情を求めた

絡める感情の発信源
唄歌いは女未満
求められて
子守唄が変わる
終わりへと向かう

ひとつ
またひとつ
ボカロイドが女になる
ボカロイドはボカロイドを失う

最後に彼が出した
誤ったコマンド
左手差し出し
透き通った声で
修理代頂戴

もうどこにも
発したコマンドを
受け入れる場所が無い

コマンドが入って行かない夜
哀しみに暮れる世の中
不自然な優しい子守唄が
消えてしまった夜

 

 

 

 

2014年6月12日記

坂道

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坂道



少しだけ天井に近付いて

細くなった道を

風が吹き抜ける

 

振り向く視界に

堪え難い風が吹き抜ける

 

坂道で
振り返ることをして来なかった

 

転がり落ちるものを

早春以前

生まれ落ちてすぐに

見たようだったから

それがいつも
自分でもあることに気付いて

転げ落ちるものを
留まるものとして抱く

時間の坂道を
落ちながら登るより他ないように

ただひとつの嘘を
嘘だと認め抱えたならば


ほんのひと時でも
正気で生きられる

ただひとかけらの理性を
夜のうちに
見つけてしがみ付いて

坂道を転げ落ちながら
留まる
登る
落ちる


風が吹き抜ける












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2014年5月16日 1:25:15 記

colors

colors




思い出したくない街を
サイケデリックな色で塗りたくったら
涙も出なくなる

誰も住めなくなるのに
勝手にそんなことを

ずっと
青みがかった灰色を選んで
なるべく統一して頭から被って
過ごして来た部屋なのだけれど

誰かしらの優しさが
運んで来るのか
ピンク色が所々に在って
浮き出している

夜明け前になると
それらが目に染みて来て
とても綺麗に思える

 

 

 

2014年4月25日記

press

press



日中心が分散しながら
彼方此方へと働きに出る
それぞれがあれこれと
背負って帰って来る

押される伸される
身体が持たない
夜になってしまった

押される圧される
地面に張り付く

此処を突き抜けた朝など
想像する力が無い
早く眠りたい

 

それでも最後はいつも

小さな祈りだけを

浮かべていたい

 

 

 

 

maybe

maybe






春の朝
見る夢
偽りが剥がれる
きりきりと
裂く悲しみ
帰って来ないひとの香り

生まれた時から
多分
キリストの磔刑
繋がれている

未だ正視し得ぬまま
春は大気の密度を上げて
妖しく様々なものを
溜め込んで行く

花畑は死の香り
夢想と知っていて
笑うのは奇妙な旅

誰かの為に祈り
誰かの為に笑う

からだはきっと
涙をいっぱいに溜め込んで
あの世へ運ぶ為にある

 

 

 

2014年4月13日記